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2回に渡って社長の役目、部長の役目について書きました。
社長の役目 : それは社員を幸せにすること
部長の役目 : それは社長の期待値をコントロールすること
と言うのが私の考えでした。
今回は課長の役目について書いてみたいと思います。
課長の立ち位置
課長は実践部隊の長・リーダーです。
どの様な素晴らしい商品、戦略、アクションプランがあっても結局はビジネスは実践力です。
社員や取引先、サプライヤーからの人望が厚く・経験豊富で的確な判断を下し、下に正しく指示できる社長や部長がいても
実践部隊が活躍しなければ何も起こりません。
その意味では実践部隊に対して実践の指揮をふるう課長の良し悪しが会社の業績を大きく左右すると言っても過言ではありません。
その意味から、課長はあくまでも実践部隊のメンバー、つまり一般社員の側に立ち位置を置く必要があります。
これは、会社や部長の方針に逆らっても部下の味方をすると言う意味ではありません。
当然課長は組織のメンバーであるので会社の方針、戦略に則って動くことが原則です。
その原則にのっとって実践部隊も動くのですが、その活動中に起こる様々な事象や障害を解決していくにあたって、実践の現場を部下と同じ目線で理解しそれを踏まえた上で部下と一緒に動く
と言うことが部下の側に立つと言うことです。
部長以上は具体的な実践方法を考えてはくれません。実践こそが一番重要なのにもかかわらずです。
それを考えて指示するのが課長です。
それを正しく行うためには現場に対する理解がどうしても必要です。
現場の理解は得意先やお客様に対する理解だけではありません。
実践する部下達に対する理解も大変重要です。
- どのレベルまでなら今の部隊は実践可能なのか?
- どの得意先がどの様なリアクションをすると予想できるか?
- その得意先を説得するためには今実践部隊が会社から与えられている武器だけで十分なのか?
- 部下の提案は本当はどこまで正しいのか?
- 部下が未熟なために間違った判断・行動をしていないか?
それらを全て課長は把握していなければなりません。
これが部長、あるいは社長になると頭でその現状を理解できても実践感覚が薄くなっているので、あるいはそれが本当の役目ではないのでそれらを正確に評価することが困難になります。
とても非常識で不愉快な得意先がいる。ところがその得意先は会社の成長にとってはなくてはならない存在である。
部長以上になるとその得意先を説得することの困難さや実際の精神的苦難などが理解できにくいので、あるいは理解していたとしても、 “わかるけれども何とかしなさい。それが君たちの仕事だ” と言わざるを得ないことになります。
その時に部下と一緒に同じ困難と精神的苦難・苦痛を共有し、仲間としてその克服のため先頭に立って立ち向かっていく。
これが部下の側に立つと言うことです。
部長や会社の方針が会社の目的達成のためには正しくない時
方針に変更が必要な時
方針が正しくとも実践部隊の今の現状ではその達成プランに猶予を与える必要がある時
少しの武器があるだけで実践部隊が成功を収めることが出来ると判断できる時
それらを実践の現場・現状を深く理解して部長以上を説得することも課長に課せられた大きな仕事になります。
それにより成功の可能性を高め、部下と一緒に現場に出ていく。
その姿を見て実践部隊のメンバーは勇気を奮い起こしチャレンジを続けるのです。
一般社員で構成される実践部隊がその実践に100%力を注ぐことが役目であるとすると、課長はその実践部隊が100%の成功を収めるためにその実践部隊と会社の間に立ちます。
大変な役だと言えます。
社長も部長も、実践部隊も目指すところは同じです。
にもかかわらず多くの会社で肝心の実践部隊が
“会社は現場を分かっていない”
“部長は何を考えているのだろう”
等の不満が出ます。
この不満を部下が持つか持たないか
分かりやすい課長の評価だと言えます。
部下の不満が正しければ上にその現状を訴えて修正させる。
部下の不満が間違っていれば部下にその正当性を説明し説得する。
この両方が求められます。
そしてどちらにも“現場の理解”=現場の長=部下の側としての自覚が求められます。
それを正しく理解し、上にも下にも実践できる課長がいる会社は強い会社と言えます。
課長の役目は
実践部隊のリーダとしての自覚を持ち、深い現場への理解に基づきながら部下と会社を動かし、自らが実践の先頭に立つこと
だと考えます。
とても大変ですが会社の成長を左右する本当に大切な役目です。
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