ビジネス実践・経営コンサルティング
ロング ラスティング ライン3L
が分かりやすく解説します
<九州・京都・大阪・関西・東京・全国対応>
前回の続きで具体的に商談を進めていくプロセスを書きます。
⑨ 実践 : 具体的な準備と商談の進め方
すでに商品がはっきりしており狙うべき得意先が決定していることを前提に。。。
1)まずその得意先での提案商品の売り上げをシュミレーションをします。
― 1年単位で最低将来5年。初年度は12か月とは限りません。
― 計算は1店舗当たり X 取り扱い店舗数を原則とします。
― 必要なコストを計算します。物流費、販促費等です。前回記事の⑦の内容です。
ー 納入原価もいくつかのパターン入れこみます。(原価、掛け率を打ち込めば全体が変わるようにしておくと便利です)
― カニバリを考えての既存取引先の売り上げも同様に。
― 採算最低ライン、ほぼ現実的なライン、ベストな場合の3種類作ります。
それらをもとに掛け率などの許容範囲をあらかじめ確認しておきます。
2)その得意先の販促活動を理解します。
― その際、どの様な販促プランを実施いているのか?どの頻度で・決定者は誰等です。これは店頭を訪問して挨拶をして売り場担当者に聞いても結構教えてもらえます。“今度お取引きの話に伺うので”と正直に言えば問題ありません。
3)上記の1)にも影響与えますが、得意先の販促活動も考慮した商品販促活動をまとめます。
― 年間販促カレンダーを作成します。 得意先の販促プランを理解した上での提案を作ることを前提とします。(これが商談時のプレゼンテーション資料にあると説得力が違います)
― 自社でやる活動もまとめます。PR活動、ホームページを使った活動、SNSプラン、イベント等。相手にとってプラスになるものは全て列挙します。これも上記の年間販促カレンダーに入れこみます。
ー 1)の売り上げシュミレーションと整合性がることを確認します。整合性がない場合はシュミレーションを修正するか、販促プランを強化します。
*下記のプレゼンテーション時に使用することを前提に作ると後々楽です。
4)売り上げ以外で提供できるメリットを整理します。(前回記事の④です。)
― 相手のビジネスの状況、企業コンセプトや売り場コンセプトの理解は必須です。可能であれば今のバイヤーが求められているであろうと思われる課題を理解します。(これは相手の決算書やリリースがあれば大きな参考になります)
ー 前回の④で記した項目です。
例
- 御社のお客様の声に応える商品です。
- 御社のお店、売り場のコンセプトを強化できる商品です。
- 御社の競合店との差別化を図ることができます。
- 今取り扱うことにより先行者メリットとなります。
- 御社の今の課題の販客の増加に寄与できますや客単価の上昇に寄与できます。等
- etc
5) 既存の得意先の売り上げを過去何年かにわたってまとめます。
ー すでに取り扱いのある販売店を実例として紹介できる様にします。(店の名前は当然隠します)
― その際、売り上げの伸長と販促活動を結びつけることが重要です。それによってこの後提案する販促プランの重要性と信頼性が上がります。
6)その得意先の売り場を理解し、どこに自社の商品を置いてもらう提案をするかを決めます。
― 大・中・小の店舗売り場がそれぞれ何店あって、何アイテム取り扱っているかを把握します。(店に出向いて調べるべきです)
― キックアウトするターゲット競合品を決定します。そしてそのターゲットの売り上げを予想します。そして今回提案する商品の売り上げがそれを上回る絵になっていることを確認します。
ターゲット商品の情報は、そこと取り引きしている卸し商社から情報を入手できるならします。できないのであればすでに御社と取引している得意先から該当品に関しての情報を入手し、予想します。(突然では不審に思わるので日頃から情報入手は特に営業にとっては優先順位の高い職務と規定しておくことはとても重要です)
7) 相手に与える“特権“が必要かどうか検討します。
― 期間独占販売などはその得意先が決まらないといつまでも次の得意先に商談に行けなくなるので原則しない方が得です。唯一得になる場合は、そのエリアにはそこしかないと言う場合だけです。取り扱い確定の条件として相手から要求してきた場合でも他で進めている商談を全て破棄しても良いと言う場合以外は原則断ります。
― ただし、その特権が既存店を含み他でも展開できるものであれば問題ありません。例えば取引開始の際にはXXXの様な販促をやります。の様なものです。この場合も“まずは御社から”であって期間を限定しては後で後悔することになります。
―“取り扱いの有無”への特権と”取り扱いスタート後“の特権(これは正確には特権ではなく販促活動の優先順位と言えます)は区別すると言うことです。
そして
8) プレゼンテーションを作成します。 商品カタログはプレゼンテーションではないことを明確に意識・理解することが重要です。
プレゼンテーションは以下の構成にします。
根底にある考え方は“良い商品だからお願いします”“他店でも売れているからお願いします”で取り扱いを決めるバイヤー、販売店等いないと言うことです。
大まかな流れは、
- 現状を整理して今の問題点をクリアにする。
- 今回提案する商品ならその問題を克服できる
- それを販促アイデアと数字で証明する
- 具体的な取り扱い方法を提案する
と言う感じです。
具体的ストーリー
① 現在の市場の状況説明 : 問題点(可能性?)を明確にするのが目的です。
根底にあるのは既存のお取り扱い競合商品ではこの問題点が解決できません。そこで今回提案する商品が必要なのです。 と言うストーリーにすると言うことです。もちろん言い方には気を付けます。
② 提案する商品がもたらすメリット説明 : 売り上げはもちろんですが上記の5)のそれ以外のメリットも打ち出します。
その際、上記のごとくその得意先の抱えているであろう問題点やバイヤーに与えられた課題を克服できるものであることを意識します。例えば販客数の減少が問題点であろうと予想するならば、自社の商品が競合と比べて購入頻度の向上につながるなどです。お客様の声の多さを示す自社ホームページの問い合わせの数や内容、既存店での実績やバイヤーからの評価等も使えます。(これらを次の商談を意識して絶えず情報収集することを営業の職務として規定しておくことが非常に重要ですし、販路拡大時楽になりま様々な場面で楽になります。)
多少”屁理屈”っぽくとも構いません。
③ 売り上げを取るためのアイデアの紹介
― 得意先自身の販促プランに乗ったアイデアを入れることが重要です。信頼性が各段に高まります。
― 加えて自社でやるプランも見せます。
― その得意先で既存販売店に先駆けてまず最初に実施する販促活動があるのであればそれは特に強調します。売り上げ以外の得意先メリットの一つとも言えます。
④ 売り上げ予測を見せます。
― 可能であれば売り上げの”ビルディングブロック”を見せられるとベストです。 これは取り扱ってもらっただけで¥XX、この販促プランで¥OOO、さらにこのプランで¥XXX円とプランを個別分けそれぞれで取れる売り上げを示す方法です。棒グラフにして足すと合計の予測売り上げになるようにします。
― また、これは取引開始後にその売り上げを取るためにバイヤーを仲間に引き入れることにもなります。取引開始後“だからあのプラン実施してください”と言えると言うことです。
ー 上の4)で作成した年間販促カレンダーを加工して見せることも有効です。
*この際相手の販促プランを月単位まで100%正確に把握できていることはないと思うので、例としてと言う見せ方になります。3か月単位で見せるもので良いと思います。重要なことはタイミングではなく販促のプランの中身と回数です。
⑤ 取り扱いの方法を具体的に提案します。
― XXXと入れ替えてください。
― OOOに置いてください。
― △△にスペースをください
等できるだけ具体的にです。もちろん何が可能で何が不可能かわからない場合が多いので言い方には気を付けます。
以上が、既存品を未だ取り扱いのない新規得意先に販路を広げる時の基本ステップです。
このプレゼンテーションはPPTなどで作成し、必要なページごとにバイヤーが上司にそのまま使用できるものがベストです。バイヤーが書き直さなければならないものは。。。最低です。小さなことと考えてはいけません。バイヤーもまた営業マンとして上司を説得する必要になるのです。貴方の様に真剣に準備はしてくれないことを理解しておくことが重要です。
上記は良く考えると当たり前のことです。がそれができていない企業が多いのが現実です。
逆にそれができていれば他社を出し抜いて自社商品の取り扱いがどんどん増えると言うことです。
大企業はこの様なやり方をやってどんどん攻めて行きます。さらに資本力があるので販促プランなども素晴らしいものの場合があります。 テレビCM入れますなどとやられたら中小では太刀打ちできません。
しかし、販売店が取り扱っている商品の中で大企業のものはいくつあるか数えるとよくわかります。 そんなに多くないことに気づきます。 また大企業の商品の中にも売れていないものがいっぱいあることも理解しておく必要があります。
つまり、販路拡大のチャンスは大きいのです。問題は持って行き方です。これを間違わなければ必ず販路は広がります。
最後に商談がまとまらない場合はその理由をできるだけ明確にバイヤーに聞き出すことは必須です。 そこを改善すれば取り扱いが始まると言うことです。
そして販路拡大が会社にとってとても大切な重要事項であるのであればリーダーは社長自らがやるべきです。
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