ビジネス実践・経営コンサルティング
ロング ラスティング ライン3L
が分かりやすく解説します
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今回は、前回の“新規チャネル開拓の具体的な実践方法”の中の8つのアクションについてひとつづつ具体的に書いてみます。
8つのアクションは以下のものでした。
- そのチャネルの中での勝ち組を見極め、(力関係を確認する)狙うべき具体的なターゲット取引先(企業あるいはその中の具体的単店)を決める
- そこでの自社商品と同カテゴリーの競合(キックアウトターゲット)のビジネスを分析する(状況を把握する)
- 同カテゴリーの競合がまだいない場合は、購入者がそこで買うであろうと思われるカテゴリーを選択する。(仮想キックアウトターゲット)
- 彼ら(上記2,3で選んだキックアウトブランド・商品)のビジネス状況や採算ラインを確認する
- 上記の2-4を参考に参入を考えてるターゲット企業(販売店)の必要最低売り上げラインを想定する
- 取引制度を調査する+想定する
- 担当バイヤーにアポイントを取る
- 商談でバイヤーを説得する
- そのチャネルの中での勝ち組を見極め、(力関係を確認する)狙うべき具体的なターゲット取引先(販売店)を決める について
具体的な例として、参入したいターゲットが百貨店の場合はまずどの百貨店に的を絞りますか?
勝ち組と書きましたが、これは売り上げの大きな百貨店と言うだけではありません。提案する商品やブランドが属するカテゴリーにおいての勝ち組であることが重要です。また、百貨店の場合は店舗ごとに取り扱い商品が決定されますので、企業体としての勝ち組と言うのではなく、“XX百貨店のOO店“と言う選定になります。XX百貨店だけども△△店での取引はちょっと。。と言う場合が多々ありますから。
これが他のチャネル例えばスーパーマーケットであれば単店単位までは考えなくても良いです。特段大きな理由がない限り“その地域で一番売り上げが取れそうな企業”を最初の目標として選べばよいのです。結果的に店の規模により取り扱われる店舗とそうでない店舗が出てきますが、それは結果論として割り切りこの段階では”企業=店舗”で臨むことで良いということになります。ドラッグストア等も含め通常はこの考えで行けます。
百貨店と同じ様に単店退位で物事を決定するチャネルはファッションセレクトショップがもう一つの代表になります。
また力関係についてですが、特に百貨店とセレクトショップの場合は競合との差別化の一番は取り扱いブランドの差と言う考えが根底にあるので、2番手の企業に最初に入れた場合は1番手はへそを曲げると言うことがあります。1番手、2番手と書きましたが企業の売り上げ規模と言うよりも企業の考え方と言う方が正しいかもしれません。まずは最初の参入はうちであるべきだと強く考える企業には何らかの形で打診=導入はまず無理だろうけれども商談に行くことも視野に入れなければなりません。後々もめた時に”最初に御社に商談に行きましたが御社が断ったので仕方なく”と言う流れを作る必要があると言うことです。
つまりどのチャネルの場合もターゲット選定時には
A) 一番売り上げが取れそうな(自社にとってベストな)企業・店舗にするか?
B) それとも一番参入し易そうな店舗にするか?
の2つの考えがあります。
特段相手やその他から情報やお声がけがない場合はA)で行くべきです。
何故なら、取り扱いの可否を決定するハードルが高いか低いかの違いがそこにはあるだけで提案の方法や手段に変わりが出るわけではないからです。
もっと言えばバイヤーからこの基幹店は無理だけども下位のこの店舗ならいいよとの流れになってから考えれば良いということです。
その考えに則り
“地域で一番の売り上げを誇る◎◎スーパーや薬局” であったり
“XX百貨店の基幹店のOO店“
と決定します。
次に
- そこでの自社商品と同カテゴリーの競合(キックアウトターゲット)のビジネスを分析する(状況を把握する)
- 同カテゴリーの競合がまだいない場合は、購入者がそこで買うであろう思われるカテゴリーを選択する。(仮想キックアウトターゲット)
さて、ここからが商談で勝つための実践手段となります。
過去のブログでも書きましたが、参入するときには
①キックアウトするターゲット競合ブランドや商品を決める必要があること
②参入を考えている企業や店舗の取り扱い最低ラインを知る。
必要があります。
何故なら販売店側としては、1社が参入することにより同カテゴリーから1ブランド(商品)あるいは他カテゴリーから同じく1ブランド(商品)の取り扱いを止めなければならないかからです。
なので販売店が納得=得をするような具体的な提案が必要となります。
そのために”どの情報をどうやって”集めるのかを記します。
① 何を?
先のキックアウトターゲットの
1.売り上げ (どのチャネルでも)
2.販売個数・売り上げ(どのチャネルでも)
3.販客数(百貨店の場合)
4.客単価(百貨店の場合)
5.顧客数(百貨店の場合)
加えて
6.百貨店とセレクトショップの場合はターゲットカテゴリー売り場の平均坪単価
7.その他のチャネルの場合はターゲットカテゴリー売り場の平均販売個数か金額
は最低調べたいところです。
② どうやって?
何も情報がない場合(中小企業が新規に参入する場合はこのパターンが多いはずです。それであきらめている場合が多くあるように思えますがすごくもったいないですね)
― 店舗単位でターゲットを考える百貨店やセレクトショップなどの場合はそのターゲット店舗に通います。
― その他のチャネルはターゲット企業の中から代表的だと思われる店舗に通います。
単純明快です。
- 1日売り場にいると販客は数えられます。
- 1-2回実際に買い物をすれば客単価は想定できます。
- 自身が顧客になれば会話の中で顧客数は把握できます。
- 2-3のブランドを見れば大まかですがほぼ現実と遠くない数字が把握できます。
原始的ですが、、、、やってますか? 私の知る限りそれを重要な業務として行っている会社はほとんどありません。 簡単でコストのかからない作業です。やるだけです。1日が無理なら時間単位で複数日通えば良いだけです。平日と週末も分けて見なければなりません。
6,7の売り場の平均坪単価や平均販微個数・金額は売り場で見てても判断しにくいものです。
これは一番はすでにそこで取り引きしている先から情報を得ることが理想です。
そのようなお付き合いがない場合は
百貨店の場合は決算書や業界情報(新聞各社が発表する年間売り上げ情報などはネットに多数流出しています)等をネットで引っ張り出してきて、目測で売り場面積を図って計算することになります。そして得られた数字を現在自社が取引している先の数字と照らし合わせることによって整合性を確認します。
セレクトショップの場合も同様です。百貨店との違いは出回っている情報量が少ないので自社の提案商品と同じカテゴリーから少し離れてせめて店舗トータルでまず計算し、ターゲットカテゴリーが占める面積やその売り上げ比率等の情報から大体で推定するしかありません。
*店に立って購入者数を見てもカテゴリーによってだけでなくブランドによっても単価が極端に違うのであまり意味がありません。
その他のチャネルの具体的カテゴリーの平均販売個数や金額は、、、、決算書や業界情報からはまず得られません。取引先やコンサルタントからの情報しかないと思います。(ただこれらのチャネルは先の百貨店やセレクトショップ程そこに注力はしていないのでキックアウトターゲットでの該当情報があれば問題ないとも言えます)
勿論シーズナリティ―もありますので何処まで制度が高いかと言うと疑問も残りますが、これらで得られる情報に基づいて商談するのと何もない中で自社商品のアピールのみに精力を注ぐのでは大きく結果に影響します。
商談の最中に数字が間違っていることが分かった場合はその場で修正すれば良いのです。もっと言えば修正できる用意をして行けばよいのです。
次に
4.彼ら(上記2,3で選んだキックアウトターゲットブランド・ブランド)のビジネス状況や採算ラインを確認する
5.上記の2-4を参考に参入を考えてるターゲット企業(販売店)の必要最低売り上げラインを想定する
ですが、
得られた情報に基づき計算します。
これらのどちらか一つを上回るプランやブランド力が自社の提案する商品になければ取り扱われることは基本的にあきらめなければなりません。
同時にこれらを上回るために必要なプランやそれにかかるコストから自社にとって本当に有益かどうかも判断します。
またこれらを把握することによって例えば百貨店の場合は想定売り上げとスタッフ人数からキックアウトターゲットブランドが実際に採算が取れているのか苦しいのかを理解できます。つまり彼はそこでビジネスを続けることを有益だと感じているのか?もしかして採算が取れないので退出を考えているかもわかりません。すでに販売店に退出の相談をしているかもわかりません。自社参入の可能性の判断に大いに役立ちます。
先の1番手か2番手かなどを判断する時にも使えます。 我々には1番手は無理だから2番手を攻めようと考えていたが調査の結果1番手におけるキックアウトターゲットは採算が取れていないので出ていきたがっている様子や、販売店がそのブランドに対して不満を持っている様子が分かってきます。それらから思い切って無理だと思っていた1番手にアタックすると言う判断ができます。
その他のチャネルの場合は基本的に人権費かからないので採算が取れていないことはありません。取り扱ってもらっているだけで得なわけです。が、もちろん販売店のそのブランドに対する不満足度の理解のためには重要です。
キックアウトターゲットの選定の仕方
自社ブランドと競合するブランドや商品をキックアウトターゲットにするべきだと思いがちですが、それだけではありません。
百貨店の1Fであれば例えば、スキンケアとメイクアップとフレグランスなどのくくりの上位に化粧品と言うのがあります。小カテゴリーでキックアウトターゲット選定できなければその上位のカテゴリーで選定すればよいわけです。
棚上に多くの商品を取り扱うスーパーやドラッグストアやセレクトショップの場合も同じ考えです。その棚で取り扱われているカテゴリーの中にも小から大のカテゴリー分けがあります。
この場合、調査の結果ターゲットカテゴリーのブランドや商品はとても良い状況にあると分かれば、同じ店内で同じバイヤー管轄であろうと思われるカテゴリーから選択すると言うこともあります。例えば雑貨でシャンプーを入れたい場合にヘアケア全体がとても伸びているのであれば違うカテゴリー、例えば極端な例ですがメンズの洗顔材等(通常同じ売り場=棚で近くにあるカテゴリー)の中から選びキックアウトターゲットとして提案しても問題ありません。
また、通常キックアウトターゲットは売り上げが一番小さいであろうと思えるものを選択します。
そして
- キックアウトターゲットより高く、
- 相手の目標とする最低ライン(あるいは現在の平均)と同等以上で
- 自社も利益を取りながら運営できるプランである
ことを確認します。あるいはそうなる様にプランします。
これら1-5にアクションによってバイヤーに言うべきは
“今回弊社が提案するこのブランド・商品は
① XXX円の売り上げが取れます。
② この売り上げは御社の目標としていらっしゃる最低ラインを超えています。
③ 具体的にはXXXと入れ替えていただければ
その結果
今より多くのお売り上げを手にされることになります“
です。
長くなるので続きの6-8については次回に書きます。
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