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<営業戦略> 中小企業の具体的販路拡大方法②-1:実践 既存ルートの新規取引開拓

ビジネス実践・経営コンサルティング 

ロング ラスティング ライン3L

が分かりやすく解説します

<九州・京都・大阪・関西・東京・全国対応>

 

すでにいくつかのそのチャネルで取り引きをしているがさらに未だ取り引きを頂けていない得意先で自社商品を取り扱ってもらう実践方法について書きたいと思います。

 

最初に重要事項を整理したいと思います。絶対に理解しておかなければならない事柄です。

  • 決定権を持つ相手は”サラリーマン”であることを理解する
  • 取り扱い商品の数は限られていることを理解する
  • 相手は商品をより売れるようには助けてはくれない
  • 相手が商品を取り扱う理由は売り上げだけではない
  • 相手が取引を決定する理由は“期待”であることを理解する
  • 特権を与えてまでの参入は後日後悔することになる
  • 売り上げ計画を立てる時は予期している以上にコストがかかることを予想しておく
  • 既存取引先からの反発を考慮し、計画に入れておく
  • 実践方法 : 具体的な準備と商談の進め方

それでは個別に。。

① 決定権を持つ相手は”サラリーマン”であることを理解する

通常、商品の取り引きを最初に決定する人はバイヤーです。そして彼・彼女達はサラリーマンです。となれば取り引きを初めた後に上司に対して“よくやった”と言われなければならないと言うことです。

その確信をバイヤーが持てるように仕向けることができれば問題なく取引は開始されます。どうやって確信を持たせるかが勝負です。そしてバイヤーが上司を説得できるような資料を用意してあげなければなりません。

 

② 取り扱い商品の数は限られていることを理解する

スペースは有限です。また在庫額と言うことを販売店は強く意識しています。となれば新たに商品を導入するとどうしても何か1品をキックアウト(取り引き中止)しなければならいのです。 

提案する商品がすでに取り扱いのある他商品よりもバイヤーにとってのメリットが大きいことを証明できなければ取り扱われることはありません。

その際キックアウトさせるターゲット商品を決めておく必要があります。

そのターゲット商品の売り上げ含む情報をできるだけ多く集めておくことが重要です。商談の際にそのターゲット商品との入れ替えをこちらから提案することです。

ターゲットはやはり下位の売り上と思われる商品になる場合が多いと思います。その情報が得られなければバイヤーに聞けば良いのです。具体的な競合商品の名前を出さなくとも“最低どのぐらいの売り上げが必要ですか?”と聞けば大抵の場合教えてもらえます。

商談を進める際には暗にそのターゲットよりはベターだということを滲ませることになります。(言い方は考えなければなりませんが)

 

③ 相手は貴方の商品がより売れるようには助けてはくれない

多くの場合バイヤーが取り扱いの可否を判断するときに売り上げ見込みを一番重視します。 が、バイヤーが貴方の商品を商談で話した売り上げに達するために貴方を助けてくれることはないと言うことを知っておかなければなりません。

相手のインフラを利用するのも自社の仕事と言う割り切りが必要です。よっぽどの場合以外に商品を置くだけで満足のいく売り上げが取れることはありません。取れるのであればこちらからお願いせずともバイヤーからお願いされます。

必要な金額が売れるための販促プランなしで商談しても何も起こりません。

 

④ 相手が商品を取り扱う理由はまずは売り上げ。だけども売り上げだけではない

売り上げはもちろん一番大きな要素です。が、それ以外にもいくつかあることを理解しておかなければなりません。1)お客様の欲しいと言う声に応える、2)その店のコンセプトを強化するのに必要である(品揃えとして必要である)、3)競合販売店との差別化を図ることが可能になる、4)今取り扱うことが先行者メリットとなる、5)リベート等で利益に対して後日メリットがある 等。

商談時にはこれらに幅広く答えるアイデアを用意する必要があります。実際に売り上げが似たり寄ったりの場合はこれが勝負になります。アイデアを用意すればするほど商談は有利になります。

 

⑤ 相手が取り引きを決定する理由は“期待”であることを理解する

未だ実績のない商品の取り扱いを決定する理由はデータではなく“その売り上げが取れるであろうという期待”です。商品の説明を幾らしても他店での実績データをいくら見せてもなかなか確信を持てないものです。

市場動向や消費者動向のデータ。違う業界、他国のものであっても使えるものはあります。使えるものは何でも使う心意気がいります。

そして当然上の③で書いた様に“売れるようにするプラン”を用意することが重要になります。

1)PR計画、2)消費者向けキャンペーン計画の予定、3)相手のインフラやシステム、MD計画等を利用するプロモーション計画、4)自社で行うイベント計画、5)計画通りに売れなかった場合の追加プラン、6)将来のラインナップ予定。これぐらいは最低限用意されていなければなりません。

“それなら売れるだろうな”と期待を持たせる必要があると言うことです“それならあの商品と入れ替えても得するだろう”と思ってもらえれば問題なく取引は開始されます。

そして上の④で書いた売り上げ以外の要素についてはファクト(事実)として用意できるものが多いことも理解しておく必要があります。リベート以外は事実として売り上げとは別にバイヤーのメリットとして最初から用意できるものです。

 

⑥ 特権を与えてまでの参入は後日後悔することになる

“御社だけしか取り引きしません” “XX年間は御社だけの取り扱いとします” “御社だけには特別にOOOします” は相手にとっては非常に魅力的な提案です。が、貴方がその商品で予想している将来の売り上げがそれだけで良いと考えていない限り必ずもめごとになります。そしてそれが全体ビジネスの成長を阻害するだけでなく、急激な落下に繋がる恐れがあります。

掛け率含めて特別待遇は原則しない方が得です。

 

⑦ 売り上げ計画を立てる時は予期している以上にコストがかかることを予想しておく

納品形態(発注単位、納品頻度、専用伝票の有無、専用物流会社の有無等)、各種協賛金、イベントへの参加、物流費の負担、カタログへの参加、スポンサーとしての参加、(最近は減りましたが)人的応援 等。売買差益で得られる利益に大きく影響を与えるコスト要素について事前にできるだけ情報を得て計画に入れておく必要があります。

後々利益が少ないので取引を止めたいと思う様な事態が起こらないように準備しておくと言うことです。今後のお付き合いもあるので簡単に取引を止められないことが普通です。それらの予想をしっかり立て、後日会社経営に影響を与えないように計画しなくてはなりません。

 

⑧ 既存取引先からの反発を考慮し、計画に入れておく

既存の取引先は競合販売店が増えるのを好ましいとは考えません。業界やカテゴリーによってはバイヤー自身の社内評価がマイナスになる場合もあります。

コスメティック、アパレル、高級品雑貨、ニッチな物販、飲食等。チャネルで言えば、百貨店、セレクトショップ、コスメ系ショップ等はかなり気にしてきます。逆に一般雑貨、OTCドラッグ、加工食品などはあまり気にしない傾向にあります。ブランドロイヤリティーの高いカテゴリーやそれを主に取り扱う販売店などは気にする傾向があると言うことです。

また貴方のその商品の取り引き先がまだ少ない段階でもやはり相手は差別化、独自性を重視するので気にしてくることがあります。

別の得意先での新規取引が始まったことを理由に、掛け率の値下げや協賛の要望、最悪は取引停止まで言ってくる可能性があります。

それを恐れる必要はないと思いますが(ビジネスの常です。それを恐れている限りビジネスは出来ません)、計画は事前にしっかりしておかなければなりません。

新規取引の計画を立てる時は既存店の分も合わせて立て、全体でどれだけプラスになるかを考えておく必要があります。 市場が小さな商品の場合は消費者間でのカニバリゼーション(食い合い)も考慮しておかなければなりません。

 

次回は⑨の実践方法 : 具体的な準備と商談の進め方について書きます。

 

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